パワートレーニング
パワーというのは、筋力×スピードで表されることは、良く知られています。スピードの要素はあまり向上しないと考えられているため、筋力を高めれば、パワーが向上すると考えられています。さらに筋力は、筋横断面積に比例するので、筋肥大すれば、パワーも向上するとされています。
つまり、これまではパワーを向上させるためには、筋肉を大きくすれば良いという考えでトレーニングが行われてきました。確かにトレーニングの初期や日常生活レベルでの話ならば、この図式も成り立つと思います。
筋肥大させるためのトレーニングは、動作をゆっくり行う場合が多いので、スピードの要素にマイナスの影響が出ると考えられます。そのため、筋肥大のプログラムだけを行っているとやがてパワーは停滞してしまい、最悪の場合、パワーは低下してしまいます。
この状況が、『筋トレをしたら、切れがなくなった』『筋トレをしたら、ジャンプ力が落ちた』ということだと思います。
パワーを向上させるためには、それに特化した専門的トレーニングを行うが必要あります。我々は、パワーとは『短時間で出来るだけ大きな力を発揮する能力』だと考えています。そのため、常にスピードを意識しながらトレーニングを行っています。
ただし、単純に重いバーベルを速く動かせば良いということではありません。パワーには、高速でのパワー、中速でのパワー、低速でのパワーがあると考えられます。そのため、軽い負荷から重い負荷まで、様々な負荷で行う事が重要です。そして、それぞれの負荷でのパワー値をモニターする事によって自分に足りない部分が明確になり、 競技特性や個人の特性に合わせたパワートレーニングを行うことが可能になります。
PUSH2.0 パワーをモニターするために
我々のパワートレーニングに欠かせないのがPUSHです。PUSHを使ったパワー値をフィードバックしながらトレーニングをさせると、パワー値が大きく出るのは、必ずしも力一杯頑張った時ではないことに気がつきます。つまり、大きな力を発揮しようとか、とにかく速く動かそうと力むと、最大パワーは発揮されません。頑張りすぎると、余計な所に力が入り、キネティックチェーンが切れてしまい、効率的な動作にならないのでしょう。